【開発者インタビュー】厳選素材によるうま味と栄養の掛け算。

ガイアの光(ひと)

栄養はもちろん、それ以前に「生命力」をいただく食事の提案で、古代食をはじめとするさまざまな食品をプロデュースしている、「有限会社千年前の食品舎」代表取締役 猪股恵喜いのまたけいきさんにお話をお伺いしました。

猪股 恵喜いのまた けいきさん
有限会社 千年前の食品舎 代表取締役

古代食研究家。カタクチイワシの加工工場を営む両親のもと、自然環境に恵まれた熊本県天草市にて育つ。次女のアトピー性皮膚炎をきっかけに食を見直し、マクガバン・レポートによるデザイナーフーズ計画(植物性食品によるがん予防)に触発され、古代食を研究。平成13年『千年前の食品舎』設立。栄養以前の「生命」をいただく食事の提案として、さまざまな食品をプロデュースしている。《一日一回、お腹をすかせましょう》をテーマに古代食を活用した『くうふく自然良法普及会』主宰

27万の試食から生まれたおいしくて栄養満点のだし

編集部(以下、編)猪股さんのプロデュースされた『だし&栄養スープ』は不動の人気で、定期購入されるファンの多い調味料ですね! この理由は一番に「おいしさ」だと思うのですが、あらためて、この味の秘密をお聞きしたいです。

猪股恵喜さん(以下、猪股さん):喜んでいただけて嬉しいですね。結局のところ、人が本当においしいと感じるのは「生命が求めているもの」をいただいたときです。だから、皆さん続けてくださっているのだと思います。昆布のグルタミン酸、カツオとイワシのイノシン酸、しいたけの核酸(グアニル酸)、この種類の違うアミノ酸3つに、塩を組み合わせていただくことで、どんどんうま味が引き出されていく仕組みです。

この素材の配合レシピも、さまざまな有名店の料理顧問に入っていただいて、完成させたものです。まず基準の厳しい自然食品店の会員さまに、27万食の試食を行い、そのご意見を汲み上げました。そして川端康成や松本清張も絶賛していた300年以上の歴史を持つ老舗料亭の厨房で試していただきながら、導き出した味なのです。

編:27万食ですか! 誰もが美味しく感じる味は、こんなテストをくぐり抜けて完成されたのですね。和・洋・中華、その他エスニック料理、どんなものにも合うので大助かりです。

先日、「トマトパスタが大好物で高級店を渡り歩いている方にトマトパスタを作る」という、かなりイヤなシチュエーションに陥ったのですが(笑)、「『だし&栄養スープ』を入れておけば、大丈夫だろう」と、安心して作れたんです。使った材料はコンビニのパスタにただのトマト缶でしたが、結果、「料理上手だね〜」とまで言ってもらえました(笑)。なんでも簡単においしくなっちゃうので、ありがたいですね!

猪股さん:それは嬉しい話です。逆にそういう方だから違いがわかったのかもしれませんね。

実は、「化学調味料不使用」としている出汁や麺つゆでも、ほとんどの製品に「酵母エキス」や「たんぱく加水分解物」が使われています。これを0.1%でも混ぜれば、どんな素材を使っていても、おいしいと感じてしまうのです。

これらはビール製造の残渣の酵母や、売り物にならない食素材を塩酸で溶かして、アミノ酸などを取り出したものがほとんどです。製造段階で生成された有害物質は取り除かれているといわれるものの、とても自然な食品とはいえません。こうした不自然に強い味は、味覚を壊すリスクもあるのです。余計な精製をしていないものですから、天然調味料扱いで、多くの人が気付かずに取り入れています。

編:味覚に影響があるのですね。

猪股さん:人の味覚というのは、自分に必要な栄養素を求め、生命を守るための大切な感覚で、守らなければならないものです。

たとえば甘味をおいしいと感じて求めていくと、お米や小麦など、エネルギー源になる炭水化物にたどりつきます。酸っぱさを感じる味覚は、腐ったものを察知します。海で生まれた生物は、体内に0.85%の塩分を保たなければ生きていけません。汗や排泄で排出された分を補うため、塩分をおいしく感じるようにできていますね。そして苦味によって、毒物を察知、塩分摂り過ぎをセーブします。うま味を求めればタンパク質に辿り着きますし、最近、細胞膜をつくる脂も、味覚のひとつとしておいしく感じるようにできていることがわかりました。

ところが、インスタントラーメンのスープなどにも脳は騙されます。さきほどの「酵母エキス」や「たんぱく加水分解物」などは、栄養の実態がないのにおいしいと錯覚を起こさせ、有名店のラーメンなどもそうした添加物で再現できてしまいます。

編:添加物に騙されているわけですね。

猪股さん:そのような人工的な味に舌が慣れると、自然の味で満足できなくなり、栄養もないので脳は「もっと食べろ」と司令を出します。これが肥満をつくる味覚ですね。こうした物質を取り入れると、からだは異物が入ったと認識し、それをやっつけようと反応を起こします。そのときに体内で放出され
る物質が、現代人の生活習慣から生まれるさまざまな不調の原因にもなっているのです。

これは栄養補助食品なども同様です。もとが自然なものでも、そこから「特定の栄養」だけを抽出したものは、やはり異物だと認識されてしまいます。

「DNA」がないのに、視力が変わる、そのワケ

猪股さん:では、天然だしはすべて安全か?となると、今度は「酸化」が問題です。

煮干しを粉末化すれば表面積が一気に増え、あっという間においしくなくなります。脂質が酸素と結びついて過酸化脂質になってしまうのです。

プロの調理人が出汁をとるときは、前日の夜に昆布を水に浸け、翌朝引き出して70℃まで加熱し、かつおぶしを入れてガーゼで濾します。あれは、クズと同時に脂を取り除いているわけですが、やはりガーゼでは限界があり、残った脂の酸化で味が変わってしまう。ですから、一流の調理人は朝つくった出汁は夜には捨ててしまいます。

『だし&栄養スープ』は、その酸化リスクを避けるために脂分を全て取り除いているので、粉末でも溶かした場合でも劣化しにくいのです。自衛隊が保存食の日持ちを調べるのに、製品に高温と湿度を与える厳しい加速試験があるのですが、保存料なしで5年間劣化なし。加えて食品分析センターにも依頼しましたが、6年超えても品質が変わりません。

編:非常食としてストック必須ですね! しかし一つ気になるのは、魚の脂分にはDHAなど大切な成分が含まれていますよね?それも取り除いてしまうのですか?

猪股さん:そうなのです。しかし『だし&栄養スープ』を飲んでいて視力が変わったりと、「DHAはないはずなのにそれが入っているかのような現象が起きている」ので、私も不思議に思っていました。

最近、その答えは、この製品をつくる技術にヒントがあると、気付きました。一定の温度、気圧の装置に魚を丸ごと入れると、圧力によって沸点が60 ℃まで下がります。これは1万2000メートルの成層圏と同じ状態を窯の中でつくり出しているんですね。その加熱蒸気を外気に放出すると一気に暴爆し、骨ごと全て真っ白な液状になります(真空高圧煮熟方式)。

これを、技術開発者がNASA(米航空宇宙局)を訪ね、一年がかりで貰い受けた「人間の小腸よりも細かい目の膜『限外濾過膜』」を通すことで、脂の微粒子がきれいに除去され、タンパク質も吸収されやすいペプチドの状態で取り出されるのです。

ここで脂とともにDHAなどが除去され、物理的な栄養は存在しないのに、その栄養と同等の変化が起きる。これは、製造過程の「暴爆状態」により、ホメオパシー(※)と同じ原理で、「情報」が液体に転写されているのではないかと考えています。そうでなければ説明がつかないのです。

編:なるほど!「情報」ですか。

猪股さん:東洋医学に「同物同治(どうぶつどうち)」といって、腎臓の悪い人は、健康な動物の腎臓を食べるといいという考えがあります。同質・同種療法、これを翻訳すると結局これもホメオパシーになるのですが、「全体」を取り入れるので、人も「全体」が整う、ということです。

魚も刺し身だけを食べていると水銀が蓄積されやすいのですが、それを出す成分が、捨てる部分に入っているわけです。これらをまるごと食べることで、生命体としての調和が取れるのですね。最初にこの技術を使った製品ができたのは1975年ですが、いまだに最先端の食だと感じています。

編:「情報」でからだ全体が整うなんて、調味料の域を超えていますね!

※ホメオパシー・・・ドイツ人医師ハーネマン(1755‐1843年)が創始した、物質が存在しなくなるまで希釈振蕩を繰り返すことで水にその物質の情報を転写し、取り入れることで不調を治す方法。「同種療法」とも呼ばれる。

いただくのは生命力!肌の調子もよくなる!

猪股さん:「食」として生命からいただいているものの中で、栄養は目に見えるように数値化された物質的要素に過ぎません。栄養だけ取っていても人は生きられない。結局生物は、植物にせよ動物にせよ、ほかの生命から「生命力」をいただいて生きているわけです。

「いわし」を使うのは、海の米といわれるほどに海洋生物を養っていて、どんなに他の魚に食べられても、それ以上に生まれてくる「生命力」を持っているからです。

乳化した液体を粉末にするのに付着させるでんぷん、これを取るキャッサバも、茎を荒れ地に差すだけでどんどん増える「生命力」があります。さらにこのデンプンは特殊で、糖と一緒に食べると、その影響が軽減されることがわかっています。和食はよく砂糖を使いますから、その意味でもとても相性がいいのです。

編:知れば知るほど「『だし&栄養スープ』を毎食使わなくては!」という気持ちになりますね!ペプチド、というものについてもう少し伺えますか?

猪股さん:ペプチドというのは、もともとカラダの中にも存在していて、サビつきを防ぐ、抵抗力を上げる、めぐりの圧を調整する、カルシウムなどのミネラル吸収を促進する、ホネをつくる、肌を美しくする、抜け毛を予防するなど、あらゆる生体の活動に深く関与しています。

タンパク質が分解されて、アミノ酸として吸収される、一歩手前の低分子状態で、ペプチドになっていることで、12〜13分で体内ですべて吸収され、廃棄物を残さないのです。浸透する力が強いので、食品のもつうま味成分と混じり合って、なんでもおいしくしてくれるわけですね。

『だし&栄養スープ』と塩を混ぜて、安いステーキ肉にまぶし、ラップで包んで2〜3時間置くと、保水力が高まって肉汁が流れにくくなり、うま味の多い高級熟成肉に変わります。有名料理店の総料理長に試してもらって、お墨付きをいただいています。しかし同じことを化学調味料のだし粉末で行うと、アンモニアが増えてニオイが出ます。

編:わたしたちの体内でも同じことが起きているのかもしれないですね。『だし&栄養スープ』をスープにして毎日飲みはじめてから、肌がきれいになったというお声をいただいているのですが、この保水力も関係しているのでしょうか。

猪股さん:関係するかもしれません。コラーゲンの多いうろこや魚の皮も全部ペプチドになって吸収されますし、さらにはおなかの調子も整ってくるので、肌がきれいになるのはある意味、当然といえるでしょう。

女性の妊活を応援する先生方も、これを広めてくださっています。化学物質の分子は小さいため、子宮にはいろいろな物質が溜まってしまうのですが、味覚が正されることで、取り入れるものが変わり、羊水もきれいになるわけです。せめて妊娠がわかってからでも、控えていただきたいですね。

編:赤ちゃんといえば、塩分も入っていないということで、『だし&栄養スープ』は離乳食にも喜ばれていますよね!

猪股さん:小さいころからきちんとした味覚が育つので、大変嬉しく思っています。

余談ですが、近年は赤ちゃんの腸が完成するより前に離乳食を与えてしまうので、これが幼児の体質に影響しています。江戸時代のように、下の歯が生え始めたら離乳食、というタイミングが良いです。

編:なるほど!さまざまなお話を聞いてまいりましたが、あらためて「知る」というのはとても大事なことですね。

猪股さん:そのとおりです。しかし情報が錯綜している世の中ですから、何を知るか、も重要です。いろんな健康法にとらわれて、理論理屈でからだの欲しないものを無理して食べたり、逆に我慢したりということが一番良くありません。ジャンクフードを我慢する、のではなく、自然の味をおいしくいただく。そうすれば、余計なものを食べたくなくなり、ジャンクフードを受け付けなくなったという方はとても多いのです。

我々は生涯で、約50トンもの動植物をいただくといわれています。いただいた命がその人のなかで再び生命として生まれ変わり、寿命尽きるまでともに生きてくれるように、「おいしい」と感じて、食事を楽しむことを大切にしたいですね。

編:まさに、食事というのは愛を受け取る行為なのだなと思います。魚の生命がまるごと入ったこのスープで生命力を養い、その生命の分も、いきいきと輝いて生きていくことを常に心がけていきたいです。ありがとうございました。


(文責:滝澤朋子)

だし&栄養スープ

『だし&栄養スープ』は、これひとつで「だし」「調味料」「栄養スープ」の3役をこなす便利な粉末だし。お湯を注ぐだけで一流仕出し屋さんもうなる、黄金色の澄んだ「一番だし」がつくれます。また、素材丸ごとの豊富な栄養素と、吸収されやすい独自製法で、おいしさを楽しみながら、抵抗力やからだの働きを高める点も人気のポイントです。

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