未来を決めるのは自分自身。自らの意識こそが時代を切り拓く!

コラム

毎年恒例の新春対談。株式会社船井本社の舩井勝仁社長に2023年の展望についてお話を伺いました。

舩井 勝仁ふない かつひとさん

1964年 大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役。2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。有意の人の集合意識でミロクの世をつくる勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けている。近著に「智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能」(竹田和平・小川雅弘共著)、「日月神事的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る」(中矢伸一共著)、「聖なる約束3 黙示を観る旅」(赤塚高仁共著)がある。
舩井幸雄.com
にんげんクラブ

意識次第で明るい未来は可能になる

近藤太郎(以下、近藤)現在はコロナ禍に戦争、円安、世界的なインフレと様々な課題に直面していますね。勝仁さんは2023年をどのように過ごせば明るい社会を創造していけると思われますか?

舩井勝仁さん(以下、舩井さん):今年こそはいい年になると言いたいですが、ユングが提唱した「集合無意識」のように、私たちの意識が世の中の形に対して大きな影響を与えていると思います。つまり自分たちの意識こそが来年どうなるかをつくっているという自覚が前提条件なんです。悲観的な情報に対して恐怖の感情を持つと未来もそうなっていきますし、「そういう可能性も踏まえて、だからこそもっと皆で協力して助け合って明るい未来をつくっていこう」と思えば、きっといい未来がやってくるということです。

今の経済を客観的に把握する意味で言えば、数年は円安が続く可能性が高くてインフレもくるとは思いますが、日本は比較的大きな問題もなく明るいと思っています。ただ欧米はインフレスパイラルに入っているという話もあり、かなり対処が難しいところまで行くのではないでしょうか。

しかしデフレが30年続いてしまった日本の場合はインフレがそう長くは続かないし、中長期的な基本線はデフレの継続でしょう。人がたとえ労働市場に戻って来なくてもAI化が進んで、本当に必要なものを供給できる体制が高まり、長期的なスパンで見たらやっぱり供給過多になると思うからです。ポジティブなニュースはあまり表に上がらないのですが、マクロに探していくといい流れが出てきている気がしますので、日本の経済は希望的観測も含めていいんじゃないかと思います。

たとえば持続可能性を意識した新しいカルチャーに、「美しい村」のコンセプトで高速道路に直結してつくられた三重県のショッピングモール「VISON」があります。平日の午前中に行ったのですが、すごい人が集まっていました。価格が安いわけではなく、むしろ他の道の駅では1パック300円くらいの梅干しに1000円近い値段がつけられている。もちろん塩や梅などそれ相応のこだわりの高い品質があってのことで、そういう価値を求める人が集まって買っていかれる。すでに雇用だけでも1000人くらい産んでいて経済効果もかなり出ているようです。そして熊本や四日市や岩手にも大きな半導体工場をつくろうという動きも進んでいます。そう考えると皆が環境に配慮した互恵社会を創ろうと意識して走っていけば、そのような豊かな社会を形作ることも可能ではないでしょうか。

そういう意味でも今年、日本の経営者がやるべきことは、価値のある商品を適切な価格設定まで値上げすること、そして賃上げをして体力をつけておくことだと思います。

近藤:経済については、覚悟はしながらも明るい兆しはあるということですね。だからこそどんな意識で臨むかがより大切になってきますね。そして社会全体としても体力をつける動きをつくっていくことが23年の課題になりそうです。

舩井さん:おっしゃる通りだと思います。人間って、生まれて、物を食べて排泄して、恋愛して、子どもを産んで育てて、やがて老いて死んでいく。単純に言えばこれだけが人生で、そのシンプルさにだんだん戻っていくように思うのです。同時にそれは、“余計な物を必要としなくなる“ということでもあるでしょう。

異なる意見を認め合える議論で解決を見出す成熟した社会へ

近藤:世界的な戦争についてはいかがですか?

舩井さん:軍事的なものを含めた動きは、海洋国家(米英や日本など)vs大陸国家(ロシア、中国、ドイツなど)の戦いだとする地政学の見方が世界で一般的に同意されるところです。ウクライナの問題も米英vsロシアとして見るとわかりやすくなります。

第三次世界大戦はすでに始まっているというネガティブな意見も多々ありますが、核保有国のトップは本格的に戦争をしたいとは思っていないのが本音で、核保有国同士の戦争は起きないのではないでしょうか。

たとえばNATO加盟国のポーランドにロシア製のミサイルが着弾したときに、アメリカは即座にロシアが撃ったものではないと否定して、ウクライナのものが誤って着弾したという声明を出しました。ロシアが撃ったならNATOが攻めなければいけない理由になってしまうので、「ロシアと戦争をしたくない」という明確なメッセージです。核兵器の存在をいいこととは思いませんが、「どちらかが撃てば撃ち返されて両方とも絶滅するしかない」という核の抑止力が確かに効いているから大国同士は戦えない。NATO諸国に「そろそろやめよう」という意思があるかもしれませんし、ウクライナの方々には本当に気の毒ですけれど、ゼレンスキー大統領が絶対にやめたくないと考えている場合、いつ終結するかはわからないのが本当のところだと思います。

ただ、西側諸国の代理戦争をウクライナにやらせるという酷い構図は、日露戦争のときには日本がウクライナの役割をやらされていたんだと考えると腑に落ちると思います。嫌な言い方ですが「次は日本にロシアや中国とやらせておこうか」という可能性も十分にある。そうならないように外交を含めてしっかりやっていただかないといけないのがひとつ。そして憲法の問題をはじめとする安全保障について「議論もしちゃいけない」という守り方ではなくて、しっかりと議論を重ねたうえで将来を決めていくということまではやらなくてはいけないのかなと思います。

近藤:異なる意見でもお互いを認めた議論ができて、解決を見出す成熟した社会にどう進むのか。政治だけでなく日本が苦手とする分野かもしれませんが、身の回りに置き換えて克服していけるように進んでいくことも大事ですね。

「偽善の壁」を超えて、9次元社会の実現へ!

近藤:船井本社さんが発刊されている「ザ・フナイ」(2022年12月号)で、勝仁さんが新進気鋭の物理学者といわれる周藤丞治さんとはせくらみゆきさんの次元論をベースに9次元世界に移行することを推奨されていました。理論物理学での9次元は、スピリチュアル的には5次元(霊界)にあたり、5次元が4次元(幽界)にあたるのでしたね。

スピリチュアルと科学の観点から、2023年をどのようにとらえておられますか?

舩井さん:9次元では「皆がそれぞれの役割を自覚しながら、全部がひとつだということもわかっている」という認識ができる。そのように考えるとわかりやすいかもしれません。

周藤先生の「物質を作っているのは粒子ではなくて弦で振動だ」という超ひも理論に基づいた次元論は、多方面に当てはまると実感しています。たとえば(理論物理学での)3次元では「物質がすべて」という認識だそうで、「恐怖」を取り去らないと5次元には移行できないそうです。ところが5次元には「お金には困らないけれど、自己主張に長けた者だけが勝つ」という困った側面があります。また9次元に移行するには「偽善」の壁があるというのが周藤先生の仮説で、偽善の典型が、良いことをした自慢をして「いいね」という承認や賞賛を求めるというものだそうです。

そこで賞賛を求める自分自身の偽善に気がついて、いいことをするときはなるべく他人に気づかれないようにすることをお勧めします。ここからは仮説ですが、神さまはプラスマイナスゼロの無から有を生み出す存在で、般若心経でいうと空から色が生まれます。偏ったらバランスを取るので、良いことを自慢せずにいたら、大きな力を与えてくれるというのがこの世の真実だと思っているのです。皆が黙ってできるようになれば偽善の壁を乗り越えて、奪い合うのではなく与え合う世界になっていくのではないでしょうか。そういうことがわかるようになってしまえば、きっとそういう社会になる。これが私たち大人が子どもたちのためにやっていくべきことだと思います。

9次元の認識をわかりやすくいうとワンネス、本当は一緒だとわかっている状態です。私たち大人がするべきことは3次元から5次元や9次元空間の社会に移行することではないでしょうか(舩井さん)。

近藤:子どもたちはコンピュータの中に構築された2次元のバーチャル空間でゲームに没入していますね。親としては表情が固定化されたり目に不調が起こったりするのではと気になる方々も多いと思います。このあたりをどのように捉えておられますか?

舩井さん:バーチャル空間という2次元の認識は、物理学でいう5次元世界とだいたい同じだそうです。つまりすでに5次元と同じ世界で生きられるだけの素養を持っているし、すでに進化したホモサピエンスの次の子どもたちだとも思えるのです。しかも将来スピルバーグ並みの才能を持つ人間がメタバースでたくさん生み出されるとも言われています。ゲームを止めさせるのではなく、その過程で生じる不具合は、それこそトータルさんの紹介されている技術や商品でカバーできますよね。

子どもたちがバーチャル空間に集中するのは、私たち大人が「物質がすべて」「勝者一人勝ちでいい」という生きづらい世の中をいつまでも選択しているからこその結果なのかもしれません。私たちが恐怖や偽善を乗り越えて9次元世界を実現できれば、子どもたちは勝手に行き来しながら5次元や9次元に戻ってくるようにも思うのです。

近藤:ありがとうございます。課題が明確になってきました。現実とバーチャルの境界がどんどんなくなっていくからこそ、アナログのリアルの方で大自然に触れる機会を子どもたちに持たせてあげることも大事になるでしょうね。

舩井さん:私もそう思っています。そして一番お伝えしたいことは、世の中を決めているのは誰か遠くにいる偉い人たちではなくて、「元気な暮らし」を読んでいるような先端を走っている皆さんお一人おひとりだということです。「今年どうなるかを決めるのは自分自身なんだ」という自覚を持って進んでいきましょう。

近藤:世界情勢から、日々の暮らしの中で大事な心構えの本質をお伝えいただき、よりクリアに進んでいくことができます。ありがとうございました。 

(文責:高木 みのり)

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